メモ32 骨髄移植への不安
☆2018年4月のこと
ドナーが見つかり、移植が可能になったことはとても感謝の気持ちで一杯です。
しかしながら、移植はかなりのハイリスクでもあると覚悟しなければならない治療になります。
移植前処置では、強い抗がん剤の投与及び致死量の全身放射線照射を行い、今ある白血病細胞を一旦ゼロにして、同時にそれは自分の免疫力も極限まで下げて、ドナーの細胞を受け入れる準備をしなければなりません。
ちなみに前処置の全身放射線照射で浴びる放射線線量は、12,000ミリシーベルトほどだそうです。
原発事故では1年間に20ミリシーベルトを超える地域に避難指示が出ています。1,000ミリシーベルトだと吐き気など症状が現れて、4,000ミリシーベルトだとすぐに適切な治療を行わないと半数は死亡してしまうという量になるそうです。
それを私の場合は12,000という量を1日2回、3日で分割照射されるのです。それプラス強力な抗がん剤も投与している。前処置だけでも充分死ねる。
何とか前処置を乗り越え、移植をしてもそこからが本番だ。
移植をすると今度は、移植による強い副作用や合併症を乗り切らなくてはならない。そりゃ人の細胞を身体に入れるんだから。
また、無事にドナーの細胞が生着する《無事に骨髄で健康な血液細胞を生産しはじめてくれる》かは確実では無い。
更に、無菌室にいても免疫力がほぼ無い状態ではどんな感染症になるか。重篤な肺炎などなったら命取りにもなる。
移植が無事成功に終わって、退院してからも年単位かそれこそ一生の戦いは続く。
移植関連死は20〜30%とも書いてある!
『移植やるぞ!』と毎日気合を入れていても、それ以上の不安や恐怖が離れません。
大きく分けると以下の3つ。
- 移植という大変な治療に耐えられるのか
- 移植関連死にならないか
- こんな辛い思いしても絶対完治ではない再発したら。。。
今やたくさんの人が移植をしているから、その対処法はある! どんな手術にも絶対は無い!その後の再発とかの心配も今じゃなくて良い!
そう思うしかなかった。
『出る前に負ける事考えるバカいるかよ』
(もし負けるとなると。。)と試合前のアントニオ猪木に質問をしたアナウンサーがビンタされるというプロレス界の名シーンを思い出したりして気持ちを保っていました。